チェルシーへの道

国内外の一流のガーデンデザイナーが一堂に会し腕を競う、ワールドガーデンコンペティションに弊社チーフデザイナー鈴木錬美が出展します!

鈴木錬美
鈴木錬美
専務取締役
1974年津市生まれ。1999年より1年間、イギリスのロンドンへとガーデン修行に出る。
帰国後、イングリッシュガーデンのセンスと日本庭園の洗練さを合わせもったスタイルのガーデンデザイン「れんみの庭」を制作している。2010年ワールドガーデンコンペティション銀賞受賞、2012年ガーデニングワールドカップ銀賞受賞。2013年中堅優秀技能者 知事表彰受賞。趣味はチャーハン動画。

Vol.4 WGCへの挑戦〜準備編part3

植栽編

ショーガーデンに使う植栽はあらかじめ大きく育ったものでないと見映えがしません。しかし、なかなか大きく育ったちょうどいい植栽は手に入れることが出来にくいのが実情です。
大きく育った草花、自分がちょうどいいと思えるような植栽を専門的に取扱っている専門店を探しました。無造作に建てられたビニールハウスの中に足を踏み入れると、見たことのない様な種類の草花が大きなポットに入ってすくすくと育っています。一般的に出荷される草花はわい性剤がかけられ、あらかじめ大きくならない様につくられますが、ここにある草花は、茎も太くどっしりと大きく育っています。

当然、いま花が咲いている草花に目がいってしまいますが、使用する草花は審査日当日の4月30日、その1日に満開になっていないといけません。
このショー(WGC)のジャッジデイ・・その1日その一瞬の為に、審査員の方が私の庭を審査する瞬間の為に、ハウスの中の温度や棚の位置を微妙に調整されながら育てられるのです。

ガラス玉

息子の為の庭であり、幼いその純粋な目には光輝く未来が映っています。その様な光を表現する素材としてガラス玉を使うことにしました。
ガラスはガーデニングの素材としては一般的ではありません。ガラス工房を訪ね、一点一点手作りの吹きガラスを見つけました。試作品のガラスを持って会場に行き、光のあたり加減をチェックしました。夕方の光線ではありますが、美しく光ってくれました。

芝生

庭内には芝生を貼る予定をしていますが、通常販売されている芝生は、出荷時には上部がきれいに刈り揃えられている為、雰囲気がでません。(※今回のイメージはあたかも何年も前からそこに生えている、その様な雰囲気にしたい為です。)
その為、洋芝をロールでカットしてもらい40日間の間ハウス内で温度管理して、草丈を伸ばしてもらうことにしました。途中で見に行きましたが、順調に芝生が伸びてきています。

リンゴの木

朝起きたらハシゴを伝ってリンゴの実をもぎ取り・・・そんなコンセプトがこの息子の為の庭にはあります。その為、シンボルツリーとしてリンゴの木を植えたいと思い探していましたが、なかなか目当ての木はみつかりません。
りんご産地として有名な長野県で探してみますが、薦められる木は揃った大きさと揃った幅、まるで規格品の様で全く面白味に欠けています。
その中で1本だけ心当たりがあるとう木を見せてもらいました。その木は、余分に剪定されることもなく、横の葉ばりも十分で背の高さは存在感ともに十分でした。春ですので葉や実こそありませんが、このリンゴの木は自分の想像していたものに近く「これに決めた!」とすぐ思うことができました。