ロンドンガーデン便り

vol.6 コッツウォルズへの旅

 今回は親日家で優しいおじいさん、ヘンダーソンさんのお庭を2月~3月にかけてつくった時のお話です。
 2001年の2月~3月にかけての仕事は、親日家で優しいおじいさん、ヘンダーソンさんのお庭でした。
デザイナーのウェインと僕は、ヘンダーソンさんと打ち合わせを重ね、和風テイストを取り入れたデザインに決定しました。(写真→)日本庭園を思わせる石貼りや、小川風のウォーターフィーチャ-は、庭を歩き楽しめる配置にしました。ロンドンガーデンらしい点は、ウッドデッキのユニークな形、オブジェや石を多く用いた所です。
石を置く作業には、僕が抜てきされました。10cmから50cm位までのたくさんの石を僕なりに据え終えると、ヘンダーソンさんは「最高だ!」と誉めてくれました。
 彼は毎日、朝の10時、昼の12時と3時に紅茶とクッキーを出してくれました。最初は少しだったクッキーも、僕たちがたくさん食べるので少しずつ増え、最終日には大きな缶にびっしりクッキーが入っていました。
仕上げにファンツリーやつる性のカメリア等の植栽を植えると、今までみたことのない、おしゃれで新しい要素がいっぱいの庭が完成しました。その庭をうっとりと眺めながら食べたクッキーと紅茶の味は忘れることができません。まだまだ寒いロンドンの冬でしたが、ヘンダーソンさんの庭は、僕の心に残る温かい思い出です。