ロンドンガーデン便り

vol.7 目地の王子

 今回はチューダーさん宅のブルーポンドガーデン、そして「目地の王様」についてのお話です。
 僕のボスだったウェインは、世界的に有名なガーデンショーで大賞を取る程の実力を持つガーデンデザイナーです。彼の生み出す庭は現代的で、同時に温もりも持つ最高にカッコイイものです。
その中でもロンドン的で印象深かったのが、チューダーさん宅の“ブルーポンドガーデン”(写真→)でした。
その名の通り青い池が主役の庭です。大きな池の、その周りには芝生と白い砂利がくっきりと映え、その中にアロエ等の主張の強い植栽たちをランダムに植えました。またあちこちにアンモナイトやモアイ像のオブジェを置いたり、石をうずまき状に並べたりしてユニークな仕上がりにしました。
 池の後ろにアンティークレンガの塀を造ったのですが、毎日レンガを積み、目地を埋めていく作業をしていたので、とてもうまくなり、仲間たちに「目地の王様」と呼ばれる程になりました。
その後、僕は多くの庭のレンガや石の目地を埋め続けたのですが、“目地の王様”の名に恥じない仕事をしようと心がけたのでした。